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企業価値に対する意見 – ビバルコとプルータス

オアシスは、真に独立した第三者算定機関であるビバルコ・ジャパン株式会社から株式価値評価報告書を取得しました。彼らは、パナホーム株式1株当たり1,954円と評価しました。この報告書では、公正価格はパナソニック株式との交換比率から計算された現在の買収価格である1,005円から94%プレミアムのついた水準と結論づけられています。この独立した第三者算定機関による株式価値評価報告書は、パナホームにも送られています。パナホームは、株式交換比率の根拠となるSMBC日興証券の評価報告書を未だに開示しておらず、また株式会社プルータス・コンサルティング(以下「プルータス」といいます。)の評価報告書の全文の開示もしていません。これらの報告書は、少数株主保護のために作成されたものであると考えられていますが、もし本当にそうであれば、評価報告書は一般に公表されるべきでしょう。言い換えれば、パナホームに何か隠し事でもない限り、一般への公開に躊躇する理由はないはずです。

2017年2月28日のパナホームによる開示情報によれば、少数株主の保護を目的として、交換比率の公正さに関する意見をプルータスに求めました。当然のことながら、事後的に取得した意見書であり、プルータスの評価は、SMBC日興証券による当初の評価報告書を正当化するものでした。パナホームは、この意見書に関して、ほとんど情報を開示していません。彼らは、パナホームから提供された数字をすべてそのまま受け入れ、独自の評価を行っていないため、プルータスによる意見書は、少数株主保護を目的としたものでないことは明白です。以下の文章は、プルータスに関するパナホームの開示資料の注記からの抜粋です。

“ プルータスはその実現可能性を保証するものではなく、これらの作成の前提となった分析若しくは予測又はそれらの根拠となった前提条件については、何ら見解を表明していません。”

“  …..プルータスは、それらの資料及び情報を原則としてそのまま採用しており、独自にそれらの正確性及び完全性の検証を実施しておらず、また実施の義務を負うものではありません。

追加の情報開示においても、過程において公正さの観点から問題が見られます。

オアシスは、パナホームによる追加の情報開示と、事後取得ではあるが、プルータスによる公正さに関する意見書(フェアネス・オピニオン)を歓迎します。追加の情報開示は、企業評価の過程とその結果に関する問題点を理解する上で有益です。弊社は、以下にそれらの問題点の幾つかを列挙していますが、パナホームへは更に詳細で多くの問題点を指摘したものを非公開で送っております。

過程における問題点

  • 1.     特別委員会が設定した承認すべきかどうかの判断基準は、著しく低いものである。
    • 非公開化が企業価値を高めるかどうかを判断する際に” パナホームの判断の過程、内容に著しく不合理な点は認めらない” と特別委員会は判断しました。これは、到底受け入れられるものではありません。株主は、このようなよりも更に高い注意義務を負っており、取締役による受託者責任と同等のレベルのものです。少数株主の権利保護、利益相反回避のための特別委員会であれば、その判断基準は株主と同等以上のものが求められるはずですが、この特別委員会の判断は、その基準を満たしていません。
    • ゴーショップ条項”が盛り込まれていませんでした。ゴーショップ条項とは、一定期間売主が他の買主候補を積極的に探し、交渉することを認める条項を指します。パナホームは、非公開化よりも有利な代替案はないと主張していますが、これは明らかに非合理的な考え方であり、代替案を見つける試みもしていませんでした。
    • 彼らは、“パナソニックの当初の提案よりも有利な条件が得られた“というだけで満足していますが、これはただの自己満足であり、無意味です。

評価手法における問題点

  • パナホームの多額の現金預金は、ほぼ全ての企業価値の算定の際に省かれている。
    • SMBC日興証券により用いられたディスカウントキャッシュフロー法(DCF法)では、何百億円もの投資が将来の成長のために行われることが前提となっています。しかしながらこれらの投資からは、売上成長や収益の増加が企業評価の計算上では全く含まれていません。従って、パナソニックのみが、この投資からのメリットを受け、少数株主は、現金預金の価値を失うことになります。これは、明らかに不公正であると言えます。
    • パナホームは、975億円の現金預金のすべてが余剰資金ではなく、400億円の運転資金がピーク時の現金預金残高から控除すべきであると主張していますが、これは、事実をわかりにくくしています。なぜなら、第3四半期の預け金を含めた現金預金は、前期末と比較しても大きく減少しており、直近ピークにおける現金預金と投資有価証券の合計から400億円を控除した金額は930億円であり、第3四半期末における現金預金の大部分は余剰資金と言えるからです。

“ 2016 年12月末時点において、パナホームは975億円の現金預金を保有していました。…これらのすべての現金預金は余剰資金であると解釈すべきではありません。我々は、この大部分を運転資金やその他の目的で、企業価値を算定する際に除外する必要があります。”  “これを前提に考えると、パナホームの開示資料において、預け金を含めた現金預金の金額のピークは16年3月末であり、記載されている用途のための支払いのために400億円はここから控除することができます。

  • SMBC日興証券により採用された比較対象企業の基準は、a事業内容の類似性、b) 事業規模の類似性、c) 株価形成における異常性などの特段の事情が存しないことであった。しかし、類似上場企業には、昨年度赤字であったタマホームや、浮動株比率が低い三井ホーム等が含まれています。

非公開化理由における問題点

  • パナホームは、”上場子会社のままでは、大胆さやスピード感の観点から十分な対応が取りにくく”、これらはパナソニックの一部となることで可能となると主張しています。しかし、実際は、パナソニック出身であるパナホームの現代表取締役や他の3名の取締役が、現金預金の大部分をパナソニックに預けたため、将来のための大胆な投資をしそこなったと言えます。このような状況で、なぜ非公開化がより良い案といえるのでしょうか?
  • 以上の点から、特別委員会は誤った解釈をしているか、十分な資質を備えていないか、中立な立場ではないかのいずれかであると考えられ、不公正な評価過程により、パナホームの取引価格は公正価格を大きく下回っていると、我々は考えます。

どうか、皆様の抗議文を直接パナホームかオアシスへ送付することで、この不公正な取引価格に対する異議の申し立に加わってください。オアシスは、パナホームに対して、非公開でそれらを提出する予定です。抗議文のひな型は、<こちら>をご参照下さい。