We believe that Panasonic's PanaHome takeover bid substantially undervalues minority shareholders' shares. Stand up for your rights!

なぜ1,200円が、十分な価格ではないのか

オアシスは、真に独立した第三者算定機関であるビバルコ・ジャパン株式会社から株式価値評価報告書を取得しました。彼らは、パナホーム株式1株当たり1,954円と評価しました。この報告書では、公正価格は現在パナソニックにより発表されている公開買付価格1,200円から63%プレミアムのついた水準と結論づけられています。この独立した第三者算定機関による株式価値評価報告書は、パナホームにも送られています。パナホームは、SMBC日興の株式価値評価報告書を未だに開示しておらず、また株式会社プルータス・コンサルティング(以下「プルータス」といいます。)の評価報告書の全文の開示もしていません。これらの報告書は、少数株主保護のために作成されたものであると考えられていますが、もし本当にそうであれば、評価報告書は一般に公表されるべきでしょう。言い換えれば、パナホームに何か隠し事でもない限り、一般への公開に躊躇する理由はないはずです。

2017年2月28日のパナホームの開示情報によれば、少数株主の保護を目的として、交換比率の公正さに関する意見書(以下「フェアネス・オピニオン」といいます)をプルータスに求めました。当然のことながら、事後的に取得した意見書であり、プルータスの評価は、SMBC日興による当初の評価報告書を正当化するものでした。パナホームは、この意見書に関して、ほとんど情報を開示していません。彼らは、パナホームから提供された数字をすべてそのまま受け入れ、独自の評価を行っていないため、プルータスによる意見書は、少数株主保護を目的としたものでないことは明白です。以下の文章は、プルータスに関するパナホームの開示資料の注記からの抜粋です。

“ プルータスはその実現可能性を保証するものではなく、これらの作成の前提となった分析若しくは予測又はそれらの根拠となった前提条件については、何ら見解を表明していません。”

“  …..プルータスは、それらの資料及び情報を原則としてそのまま採用しており、独自にそれらの正確性及び完全性の検証を実施しておらず、また実施の義務を負うものではありません。

追加の情報開示においても、プロセスにおいて公正さの観点から問題が見られます。

オアシスは、パナホームによる追加の情報開示と、事後取得ですが、プルータスによる公正さに関する意見書(フェアネス・オピニオン)を歓迎します。追加の情報開示は、企業評価のプロセスとその結果に関する問題点を理解する上で有益です。弊社は、以下にそれらの問題点の幾つかを列挙していますが、パナホームへは更に詳細で多くの問題点を指摘したものを非公開で送っております。

プロセスにおける問題点

  • 特別委員会が設定した承認すべきかどうかの判断基準は、著しく低いものである。
    • 非公開化が企業価値を高めるかどうかを判断する際に” パナホームの判断の過程、内容に著しく不合理な点は認めらない” と特別委員会は判断しました。これは、到底受け入れられるものではありません。株主は、このようなよりも更に高い注意義務を負っており、取締役による受託者責任と同等のレベルのものです。
    • ゴーショップ条項”が盛り込まれていませんでした。理想的には、特別委員会は、真の事業価値を決めるために、プライベートエクイティ・ファンド、競合企業のような真に独立した第三者を対象に、パナホームの買収ににいくらまで入札できるか確認すべきです。パナホームは、非公開化よりも有利な代替案はないと主張していますが、これは明らかに非合理的な考え方であり、代替案を見つける試みもしていませんでした。このこと行わないことは、特別委員会は、十分に何も検討せずに、単にパナソニックによる公開買付けの承認をし、結果として、少数株主からの受託者責任の違反を意味します。
    • 彼らは、“パナソニックの当初の提案よりも有利な条件が得られた“というだけで満足していますが、これはただの自己満足であり、無意味です。

評価手法における問題点

  • パナホームの多額の現金預金は、ほぼ全ての企業価値の算定の際に省かれています。
    • SMBC日興により用いられたディスカウントキャッシュフロー法(DCF法)では、何百億円もの投資が将来の成長のために行われることが前提となっています。しかしながらこれらの投資からは、売上成長や収益の増加が企業評価の計算上では全く含まれていません。従って、パナソニックのみが、この投資からのメリットを受け、少数株主は、現金預金の価値を失うことになります。これは、明らかに不公正であると言えます。
    • パナホームは、975億円の現金預金のすべてが余剰資金ではなく、400億円の運転資金がピーク時の現金預金残高から控除すべきであると主張しようとしていますが、これは、事実をわかりにくくしています。なぜなら、第3四半期の預け金を含めた現金預金は、前期末と比較しても大きく減少しており、直近ピークにおける現金預金と投資有価証券の合計から400億円を控除した金額は930億円であり、第3四半期末における現金預金の大部分は余剰資金と言えるからです。

“ 2016 年12月末時点において、パナホームは975億円の現金預金を保有していました。…これらのすべての現金預金は余剰資金であると解釈すべきではありません。我々は、この大部分を運転資金やその他の目的で、企業価値を算定する際に除外する必要があります。”  “これを前提に考えると、パナホームの開示資料において、預け金を含めた現金預金の金額のピークは16年3月末であり、記載されている用途のための支払いのために400億円はここから控除することができます。

  • 業績下方修正とその株式価値算定への影響
    • 2016年10月14日、パナホームは、17/3期の業績予想を下方修正しました。4月21日に発表されたパナソニックによる公開買付け関連資料に埋もれてしまっていますが、業績下方修正は、DCF法による算定基準期間(18/3期-20/3期)にまで及んでいます。この下方修正は、多層階住宅の引き渡しが一時的に新年度にずれ込んだもので、事業への長期的な影響はないはずです。
  • 不十分な永久成長率
    • 経営陣は、大きな投資リターンをあげるために開発用地への投資を行っています。あらゆる投資は、結果として、将来の利益成長を導くべきものです。もしそうならば、SMBC日興は、大規模な現金支出を織り込みながら、0%永久成長率を適用し、成長性に影響を与えないようなことができたのでしょうか?利益成長をもたらすことが見込まれていたのは、投資から2年経過した後であり、短い3年間のDCF法の算定基準期間の経過後となっていることに、再度言及させていただきます。マンション事業は、建設して収益の実現までに2年半かかります。
    • 更に、0%の成長率は日本の現在の期待インフレ率を下回っており、パナホームはインフレ率を下回る成長しかできず、SMBC日興は会社が将来減益を予想していることを意味します。17/3期から20/3期までの劇的な営業利益成長により、97年以来の営業利益の更新が予想されていることを考慮すると、これは信じがたいことです。投資から何の収益も得られない計算とは、パナホームが失敗するために投資を行い、投資した金額をすべて失う期待をしている想定になり、これは不合理です。SMBC日興のDCF法で用いられたEBITDA倍率は、類似企業の中で倍率の低い企業が選定され、それをもとに出来るだけ低い倍率を採用しています。
  • DCF法における最も感応度が高い変数は、割引率です。この変数は、少しの変化で、大きな価値の変化を伴います。従来の株式交換発表時から、金利、日本市場の変動率は下落しており、それにより割引率は低下することが予想されますが、しかしながら、SMBC日興は、割引率の上下限ともに、株式価値に著しくマイナスの影響を与える8%超にまで引き上げました。
  • 疑問の余地の大きい類似上場会社比較法

    • 更に正確な類似企業を調べるために、弊社では、パナホーム、積水ハウス、大和ハウス等を含む様々な住宅建築会社で働く多くの営業マンと接触し、競合企業がどこであるかを尋ねました。パナホームの営業マンは、主要競合先は、鉄骨を用いて住宅を製造するメーカーで、積水ハウス、大和ハウス、旭化成を含んでいると強調していました。大和ハウス、積水ハウスの営業マンは皆、直接の競合先は鉄骨を使用する住宅建築会社であり、特にパナホームは目立つとの意見を述べていました。営業マンの誰もが三井ホーム、オープンハウス、住友林業、タマホーム、ミサワホームと競合先としてみなしませんでした。しかしながら、SMBC日興とプルータスは、大和ハウス、積水ハウス等を選定せずに、それらのみを使用しました。更に、四季報では、積水ハウス、大和ハウスを競合先として採用していますが、SMBC日興、プルータスにはいずれも採用されていません。選択された比較企業は、実体によるものでなく、パナホームの株式評価算定結果が、最も低く決められるように選定されたことは明白です。
  • SMBC日興、プルータスは、単純に、意図的に大和ハウスや積水ハウスのような直接の競合企業を類似上場会社比較法に用いることを避けました。なぜなら、これらを用いれば、著しく高い株式価値評価が算出されるであろうからです。SMBC日興証券により採用された比較対象企業の基準は、a) 事業内容の類似性、b) 事業規模の類似性、c) 株価形成における異常性などの特段の事情が存しないことでした。しかし、類似上場企業には、昨年度赤字であったタマホームや、浮動株比率が低い三井ホーム等が含まれています。

論拠の問題点

  • パナホームは、”上場子会社のままでは、大胆さやスピード感の観点から十分な対応が取りにくく”、これらはパナソニックの一部となることで可能となると主張しています。しかし、実際は、パナソニック出身であるパナホームの現代表取締役や他の3名の取締役が、現金預金の大部分をパナソニックに預けたため、将来のための大胆な投資をしそこなったと言えます。このような状況で、なぜ非公開化がより良い案といえるのでしょうか?
  • 以上の点から、特別委員会は誤った解釈をしているか、十分な資質を備えていないか、中立な立場ではないかのいずれかであると考えられ、不公正な評価プロセスにより、パナホームの取引価格は公正価格を大きく下回っていると、我々は考えます。

どうしてこのようなことが起こったのでしょうか?“独立した”銀行、“独立した”法律事務所、特別委員会を含む全ての関係者は、少数株主保護のために、彼らに必要とされている職務を行わなかったのでした。

どうか、皆様の抗議文を直接パナホームかオアシスへ送付することで、この不公正な取引価格に対する異議の申し立に加わってください。オアシスは、パナホームに対して、非公開でそれらを提出する予定です。抗議文のひな型は、<こちら>をご参照下さい。